虐待について

知って、異常の

こころのグレーゾーン

講師:介護講師(看護師)

桑原 禎子 氏

ヘルパー研修会及び勉強会R.1.08.19開催

令和元年8月19日、介護講師(看護師)の桑原禎子氏をお招きし、「虐待について~こころのグレーゾーン~」をテーマにヘルパー研修会及び勉強会を実施いたしました。今回は最近テレビや新聞記事などで多く取り上げられている虐待についてです。
なぜ人は虐待をしてしまうのかをグレーゾーンという視点からご自分の日々の活動の振り返りをするきっかけにしていただきたいと思っています。
心の中のグレーゾーンとは、善悪の判断が無意識または意識的に、悪ではなく善である事にしてしまう心の積み重ねです。また虐待のグレーゾーンとは虐待の前兆の事です。
心の中のグレーゾーンの積み重ねが軸となり行動になってしまいます。自分だけでなく、周りの人のことも自分都合の理由で見て見ぬ振りしてしまう行動です。この研修で津久井やまゆり園の事件を思い出しました。
被告は現在でも謝罪の意識はなく、当時はとても騒がれました。非常に難しい問題ですが一人で抱え込まず周囲に相談や報告をし、情報を常に共有することが何よりも大事だと思いました。

・・・・・・・虐待の種類・・・・・・・
*身体的虐待*
高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じる
おそれのある暴行を加えること
叩く、蹴るや痛みを与えたり傷を負わせたりする
無理やり食事を詰め込む
見ていない間に転んだりすると大変なので故意に立てないよう低めのソファに 座らせたりするなど
※本人が認めないと全て虐待になりにくい

*心理的虐待*
著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他
心理的外傷を与える言動を行うこと
怒鳴る、無視、言葉による暴力
失禁などを笑う
恥をかかせるなど

*性的虐待*
わいせつな行為をすること又はわいせつな行為をさせること

*ネグレクト*
高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置その他の高齢者を養護すべき 職務上の義務を著しく怠ること
お世話をしないなど

*経済的虐待*
年金搾取
お金を渡さない
本人の意思に反して勝手に使う。

例)平成17年2月・某グループホームの夜勤職員が80代の入所者を殺害してしまった。
80代入所者がヒーターを足で揺らして消してしまうことに腹を立て、部屋の隅に座り込んでいた入所者の数十センチ前に、最高温度に設定したヒーターを置き、熱風を約30分間当て続け、顔や腹部にやけどを負わせて死亡させた。
職員は周囲からの評判がとても良く、優しくて真面目という人が殆どだった。当時は夜勤の為、1人で何人も対応せざるを得ない状況だった。
では、このような環境になると皆が同じ状況になってしまうのでしょうか? 『これ以上できません、いっぱいいっぱい』だと言ってはいけないと思っている人が多いがこのような状況になる前に無理と言って自分を認める事も大事です。
心の中で我慢してしまいそれが積み重なると一気に行動に出てしまう事があるので情報を共有できる人や相談できる人を見つけて心の中に溜め込まないようにしましょう。
人の為に・・・と自分の事を後回しにしていると自分の精神が壊れてしまいます。
『してはいけない、でもそういう気持ちは誰しもが持っている』
という心の中のグレーな部分は皆が認めるようにした方が良いと思います。

※知的のガイドの場合ほぼ1対1になる事が多いのでその場での指示が入らない。
固定になっていると余計に他の人の言う事が受け入れられないので都度相談しその人の支援目的を明確にする。
○○の方法がダメなら◎◎の方法でなど現場で答えを導き出し、引き出しを増やしていく事も必要です。

Q1・障がい者同士または高齢者同士でのそのような場合はどうなるのでしょうか?
A1・法律的には裁かれません。施設の方針によって違いますが折り合いがつかない場合には退所してもらうのも一つの方法です。きちんと双方の話を聞いてすべてを受け止めずお互い様の精神で対応するほうが良いと思います。

Q2・そのような事件になる前に事象が起きない環境作りは可能だと思いますか?
A2・会社の理念にもつながりますが、都度職員同士で話し合っていくしかないと思います。 まったく起きない環境は現状では難しいと思います。